こんにちは、サラリーマン1級建築士のLaLaです
この記事では、壁付けキッチンって良いのかなあと悩まれている方、何も考えずに対面キッチンを考えている方などに向けて、壁付けキッチンにして良かったことを1級建築士の私が解説します。人気の対面キッチンとのレイアウトによる比較などを詳しく説明し、壁付けキッチンの魅力をお話しします。
壁付けキッチンにして良かったこと3つ!対面キッチンとのメリット・デメリットを比較
仕事柄、多くの方が対面キッチンを要望され、私自身も対面キッチンで提案することは多いのは事実です。
しかしながら、深く考えずに対面キッチンを選ぶと気づいていないデメリットも多いのです。
確かに、対面キッチンはキッチンに立った時にリビングダイニングが見渡せるのは家族の雰囲気も見渡せるので、
なんだかアットホーム感が出ます。
ドラマや映画のシーンなどの影響も多いでしょうね。
大切なのはご自身のライフスタイルに合わせて住まいをつくるということです。
設備のために家を購入しませんよね?
実現したい暮らしを求めて家を購入するはずです。
私の場合は、面積が大きくないマンションの住戸でも特にLDKは広く感じる暮らしにはこだわりたいと思いました。
LDKは家族が集まり、団欒する空間ですからね。そこが伸びやかに暮らしやすいことが一番でした。
壁付けキッチンのメリットその① ダイニングテーブルをゆったり置ける
こちらの写真のように壁付けキッチンとダイニングテーブルのレイアウトを見ていただければわかりやすいと思います。
ダイニングスペースがゆったと広々と感じます!
私が目指したのはこのようなレイアウトです。
一方対面キッチンの場合はどうなるでしょうか?
対面キッチンはキッチン側の目線になればメリットはとても多いのですが、
ダイニング側から見た目線になれば、
キッチンに大きくスペースを取られる分、ダイニングテーブルのスペースが追いやられてしまうことがあります。
私は1級建築士なので双方のメリットデメリットを理解し、
どう工夫して解決するかを判断するスキルがあります。
壁付けキッチンって良いのかな?と悩まれている方に少しでも魅力や工夫のポイントが伝わればと思っています。
私の場合はダイニングが家族の団欒に一番良いカタチを求めたのでダイニングスペースの広さはとても重要な要素だったのです。
キッチンとダイニングのレイアウトポイントの詳細については以下でさらに詳しく説明していきます。
壁付けキッチンのメリットその② タイルを壁に貼ってあえて魅せるキッチンにできる
キッチンというのはシンクなどのゴチャゴチャは隠したいものです。
そのため、対面キッチンが人気な理由は、
壁を少し立ち上げて、キッチンで作業する手元がリビングやダイニングからは見えないようにできるという点です。
壁付けキッチンはキッチンが丸見えであるということが特徴です。
それをデメリットと捉える方が多いのも事実です。
昔の家は台所は北側の奥にあるというのが多く、いわゆるハレとケを分離し、匂いなども漏れないように配慮していたのです。
ところが最近の住まいはLDKは南向きが圧倒的に人気となりキッチンはますます明るい場所に進出してきました。
そこで、私がオススメするのは、
あえて、魅せるキッチンをつくるということです。
ポイントとなるのは、壁にタイルを貼ることです。
キッチン天端と吊り収納の間の壁は視線の高さからよく目立ち、そこをオシャレにするだけでキッチンは非常に魅力的に生まれ変わります。
壁付けキッチンの方がインテリアをオシャレにするために、色々考えるポイントがあるので、めっちゃやりがいめっちゃあるんですよ。
私の場合はDIYでタイルを貼りました。
これをするだけで大きく違いが出るので是非やってみてください。
ただし、タイルを貼るのは技術がいるのでできれば業者さんにやってもらうのをオススメします。
賃貸の場合はシールで貼れるタイルなどもありますので参考にしてください。
壁付けキッチンのメリットその③ 配管がシンプルになり設備が空間の邪魔をしない
ちょっと専門的な話になってきましたね。
もう一度対面キッチンの写真を見ましょう。
対面キッチンはリビングダイニングから見ると、シンクなどのごちゃごちゃが見えない点がとてもメリットとなります。
ところが、先ほどのお話ししたように、キッチンという設備が空間の中央に配置されるため、
LDKの広さ感は壁付けに比べると小さく感じます。
もちろんキッチンの商品にはフラット型の対面キッチンなど視線が抜けて広々感じるものもありますし、
そもそも面積の広いLDKだったら何の問題もありません。
私のようにマンションやアパートなどのコンパクトな集合住宅のLDKでの考え方となりますのでご了承ください。
さて、もう一つ気になるものがありませんか?
それは、レンジフードです。
ほとんどの方がこの存在を意識されていないかと思います。
しかし、みていただければわかると思いますが、結構大きな設備が空間の中央に設置され、
しかもそれを隠すための壁なども必要になったりします。
要するに、キッチンとレンジフードが空間をぶつ切りにして仕切ってしまう要素にもなり得るのです。
これを意識してレイアウトを考えるのと考えないのでは大きな違いです。
この写真のレンジフードは建物の外周側にあるので配管はシンプルです。
ところがレンジフードが建物の外周側でなく、住戸の中央にあったらどうなるでしょうか?
ダクトの天井下がりがLDK空間にかなり目立ってきます。
ちょっと専門的になってきましたが、キッチンやレンジフードは家具と違って「設備」であるという認識を持つ必要があります。
設備であるということは家具のように自由に動かすことはできないということです。
そのため、LDKの広さや優先順位も考えながら、キッチンのタイプも考えていくべきなのです。
それを知った上で、もう一度壁付けキッチンの写真を見てみましょう。
キッチンやレンジフードが空間を間仕切る邪魔者になっていないですよね?
空間を仕切ってしまうのは部屋を狭くしてしまう要因になります。
最近では、家の中はできるだけ仕切りを作らずに、一室空間として魅せることが広々伸びやかでオシャレな家づくりのポイントだったりします。
私の家のようにコンパクトな住まいの場合は尚更です。
ちなみにこの写真のレンジフードはどこにあるでしょうか?
もちろんコンロの上にあります。
吊り収納の扉のデザインでうまく隠しています。
こんなオシャレな方法もあるので、壁付けキッチンは魅力があると感じていただけましたでしょうか?
ここから先は、1級建築士の私が選んだマンションのわが家のレイアウトをご紹介します。
壁付けキッチンの冷蔵庫・食器棚の位置やおしゃれに見えるレイアウトを公開!
壁付けキッチンのメリットを解説してきました。
ここからは、わが家のキッチンのレイアウトから見ていただくことにします。
壁付けキッチンだから良いというのではなく、壁付けキッチンを使い勝手良く、魅力的に高めていくことがとても重要となりますので、それらのポイントをもっと詳しく解説していきます。
私が描いたわが家の間取りです。
重要なポイントを説明いたします。
生活感を隠すにはどうしたらいい?
壁付けキッチンはどうしても生活感が出ちゃいます。
丸見えですからね。
お客さんが来た時は綺麗にしないと大変ですよね?
では、
壁付けキッチンがなぜ生活感が出るのでしょうか?
それは、
- 洗い物の食器が散乱
- 冷蔵庫やレンジなどの生活家電が丸見え
- コンロが汚い
などがあるあるかと思います。
もちろん私もそれらをどうしようか考えます。
解決する方法として、
コンロと冷蔵庫は隠すことにこだわりました。
シンクまで隠すのは無理でしたがコンロと冷蔵庫は壁を立てることで隠しました。
コンロと冷蔵庫は隠した間取りです。
こうするだけでかなり生活感を隠すことができるのです。
レンジと炊飯ジャーはキッチンカウンターに置きたくなかったのでモモナチュラルでレンジ台を購入しました。
テーブルと同じアルダー材で統一しています。
ちなみに私の家が対面キッチンだったら生活感はどうなるでしょうか?
わが家を対面キッチンにするとこのようなレイアウトになります。
リビングドアを開けると、すぐにシンクが丸見えとなってしまいます。。。
全体的なレイアウトは綺麗ですが、生活感は出てしまいます。
このような場合は、できればキッチン短辺方向にも壁を設置して少しでも生活感を減らしあげるのが良いかと思います。
壁付けキッチンって収納量足りる?
壁付けキッチンで弱点になりやすいのは収納量です。
どうしてかというと、対面キッチンのように背面に食器棚を置けないからです。
これは壁付けキッチンのデメリットとなりやすい要素ですが、
キッチンと食器棚をセットで捉えることができる対面キッチンとは考え方を切り離す必要があります。
それは、壁付けキッチンはレイアウトで考える必要があるからです。
私の家の場合は、レンジ台などを設置するスペースを確保できています。
また、私の家で壁付けキッチンの魅力を最大化した要因が、
4.4mのビッグキッチンであるということです。
壁付けキッチンはできれば壁いっぱいにキッチンをレイアウトすることをオススメします。
中途半端に切れていると空間が美しくまとまらないことがあるからです。
これだけ幅の広いキッチンだと、収納スペースも十分です。
わが家の場合、子供のお菓子スペースや保存食などの収納としてもキッチン収納が役立っています。
また、カウンターが広いとスタイリングなど色々楽しむことができます。
注意点は、カウンターが広いとなんでも置いてしまってゴチャゴチャしてしまうことです。
わが家も何度も散らかしまくってます、、、
家事動線を考えたらキッチンはどこに置くべき?
家事動線や収納量は家づくりではとても重要な要素となります。
家を買った後でこうしておけばよかったと後悔することがあるので絶対に考えておくべきことです。
例えば、
料理をしながらお風呂が沸いたかなどを確認できると家事がテキパキできますよね?
水回りは特に動線をつなげておくと便利です。
家事を時短につなげるとそれだけ家族との団欒の時間が増えるのです。
そのため、
キッチンと洗面は可能であれば簡単に行き来できる間取りが良いかと思います。
壁付けキッチンであればその辺りがかなりやりやすくなります。
そのことを絵で説明しますね。
これがわが家の回遊動線です。
壁付けキッチンの横に扉があって洗面所に回れます。
回遊性の良い間取りは家族が混雑しにくく、また賑やかになり楽しいです。
犬も駆け回ることができます(笑)
それでは、
再度、私の家が対面キッチンだったらどうなるか?
対面キッチンにした場合、このようにキッチンから洗面に行くのに2つの扉を開かなくてはなりません。
また、ダイニングテーブルはキッチンにベタ付けにすると奥の椅子に座る人は動きにくいです。
丸テーブルとすることで動きやすいレイアウトにする方法もありますが、
丸テーブルはスペースが広くないと使いにくくなることもあるので注意が必要です。
まとめ:壁付けキッチンを考えるポイント
最後にまとめます。
壁付けキッチンのメリットは
- 壁付けとすることでキッチンが空間を仕切らず、空間を明るく広く使える
- 動線が良くなり回遊性の高い間取りになる
また、壁付けキッチンの魅力を高めるポイントは
- 壁面にタイルを貼ると一気にオシャレになる
- 生活感を隠すレイアウトに心がける。特にコンロと冷蔵庫
以上となります。
お伝えしたかったのは、キッチンのタイプが何が良いかということよりも、
大事なのは家族の想いを具現化し、何を実現したいのか?ということです。
私の場合は家族の団欒の場であるダイニングとリビングのスペースを最大限広くとることと、
回遊性の高い間取りとすることでした。
住まいを考える上での参考になれば幸いです。
最後まで見ていただきありがとうございました。
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